千葉市美浜区の遊泳禁止の海岸で2018年以降、4年連続で死亡水難事故が起き、県警などが注意を呼び掛けている。いずれも海岸から垂直に延びた「突堤」付近で発生。同様の事故は全国で起きており、専門家は「突堤付近は水深が深い場所が点在するので、むやみに立ち入らないで」と警鐘を鳴らす。

事故が相次いでいるのは、ZOZOマリンスタジアム近くの「幕張の浜」と呼ばれる海岸。今年5月、「3号突堤」から10代の男性が友人と一緒に海に飛び込んだ後、姿が見えなくなり、その後海中で遺体が見つかった。突堤は海岸の砂の流出防止や、波を低減させる目的で設置され、3号突堤は沖に向かって約250メートル延びている。20年8月には男子高校生2人が突堤付近で溺れ、2人とも死亡。18、19年にも同様に高校生が死亡した。立ち入りを防ぐため柵が設置されたが、県警によると、今年の事故では男性らは乗り越えて立ち入ったとみられている。

昨年現場を視察した一般社団法人水難学会の斎藤秀俊会長は「プールと異なり、海は深い場所が突然現れる。突堤にはむやみに近づかないで」と注意喚起する。現場付近は水深が2メートルを超える場所が点在する上、海水が濁り突堤の上からでは水深が分かりにくい。たまたま深い所に入ってしまい事故につながる。

水難学会では、溺れそうになった時は海面であおむけに浮かぶ「背浮き」などが有効な手段として、ユーチューブで動画を公開している。