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Thursday, December 31, 2020

豪雨時にAIが被災場所予測→自動ドローンで撮影 大分大と地場ITが連携 - 大分合同新聞

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(左から)大分大の鶴成悦久准教授、ザイナスの山本竜伸常務、オーイーシーの野崎浩司執行役員

(左から)大分大の鶴成悦久准教授、ザイナスの山本竜伸常務、オーイーシーの野崎浩司執行役員

 豪雨の際に人工知能(AI)で被災場所を予測し、自動の小型無人機ドローンが現場上空で情報収集する仕組みづくりを大分大と地場IT企業のチームが進めていることが31日、関係者への取材で分かった。迅速に状況を把握し、住民の安全確保や復旧作業に役立てるのが狙い。全国でも先駆的な試みで、システムが確立されれば災害時の避難行動の在り方を変える可能性もある。産学官で培ってきた先端技術を進化させ、大分から防災・減災の未来を開く。
 大分大の減災・復興デザイン教育研究センター(CERD=サード)とザイナス、オーイーシーの両社(いずれも大分市)がタッグを組み、12月から着手した。
 計画では、斜面崩壊などの危険が高い場所をAIが予測してドローンに現場への飛行を指示する。機体は格納基地(自治体の出先機関や公民館などを想定)から飛び立ち、状況を撮影して帰還。大分大の分析システムに動画を送り、3次元画像にする。
 地上から目視できない場所の災害の兆候をつかんで2次被害に備えるほか、道路寸断で孤立した集落の把握、復旧工事の工法決定など、さまざまな活用を想定している。多様なデータを蓄積することで予測精度も向上でき、住民の避難判断に生かせるという。2021年度中に実証実験をする予定。AIの予測機能は今年の梅雨までの稼働を目指している。一連の行程は最終的に全て自動化する。
 ザイナスの山本竜伸常務(45)は「最適な撮影方法を実験で見極めたい。いずれは基地周辺の雨量センサーを基に、雨中の飛行が可能かどうか自動で判断できるようにしたい」と説明する。
 人が操るドローンは既に災害現場で活躍している。CERDは17年7月の福岡・大分豪雨、18年4月に中津市耶馬渓町で起きた山崩れなどで現場を空撮し、崩壊断面の状況が分かる立体データを初動対応や分析に役立てた。20年7月の記録的豪雨では県建設業協会日田支部と連携し、50本以上の映像を撮影した。
 自動化でより早いタイミングの飛行が可能になり、多数の現場をカバーすることができる。熟練の操縦者による調査も続け、高い精度を担保する考えだ。
 自動飛行にはハードルもある。杵築市山香町で20年12月、物資を運ぶ県の実証実験に参画したオーイーシーの野崎浩司執行役員(53)は「ルート選定、維持費、電波の確保など安定運行や安全性確保のための課題が見えた。ノウハウを生かしたい」と意気込む。
 県は大学や地場企業などと一緒に先端技術による防災力強化を進めている。CERD次長の鶴成悦久(よしひさ)准教授(43)は「地域の力を結集して県民の生活を守っていく。今回のプロジェクトを通じて災害対応の大分モデルを確立していきたい」と話している。

※この記事は、1月1日 大分合同新聞 1ページに掲載されています。

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