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日本相撲協会の臨時理事会。中央は八角理事長 |
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日本相撲協会は１日、大阪市内で臨時理事会を開き、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を受けて、８日にエディオンアリーナ大阪で始まる大相撲春場所を無観客で開催することを決めた。観衆がいない中で本場所を実施するのは初めて。記者会見した八角理事長（元横綱北勝海）は、力士に感染者が出た場合はその時点で中止する意向を示した。
ＮＨＫの中継や天皇賜杯の授与、懸賞などは通常通りだが、幕内優勝力士によるパレードは行わない。場所後の春巡業を実施するかどうかについては検討中とした。
２月２６日の安倍晋三首相によるスポーツなどの自粛、規模縮小の要請を受け、理事会では中止も視野にさまざまな意見が出たという。専門家の賀来満夫・東北医科薬科大特任教授（感染症学）を交えて協議し、異例の形での開催を決定。八百長問題の影響で取りやめとなった２０１１年３月の春場所以来、史上３度目の中止を回避した。
過去には、戦時中の１９４５年６月の夏場所が一般非公開で傷痍（しょうい）軍人らが招待された例がある。八百長問題の余波で興行として開催しなかった１１年５月の技量審査場所は無料公開した。
プロ野球やサッカーのＪリーグなども無観客開催や日程延期などの対応を取っている。１日の東京マラソンは一般ランナー抜きで行われた。
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◆モチベーション維持、カギ
本場所の無観客開催という異例の決断について、八角理事長は中止の選択肢も議論に上がったことを明かした上で「全国のファンのために決めた」と説明した。理事会に出席した賀来満夫特任教授は、他の出席者に新型コロナウイルスの特性などを説明したという。理事会の協議も専門家としての意見を聞きながら進めた。
賀来特任教授は「感染リスクを減らすことが大事」と強調。八角理事長はリスクを軽減するため、各力士が会場入りする際、日本相撲協会がバスを用意して送迎することや、毎日の体温計測などの対策を示し、不要不急な外出を控えるよう呼び掛けた。力水は口をつけず、形だけにするなど、細部にまで配慮する。
力士や行司、呼び出し、床山から一人でも感染者が出た場合は春場所をすぐに中止にする意向。その際の成績の取り扱いについては「検討中」とした。力士と接する機会の多い報道陣にも朝稽古の取材自粛、支度部屋への立ち入り禁止など協力を求めた。
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大相撲春場所の会場のエディオンアリーナ大阪 |
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当初、協会は通常開催も選択肢の一つとしていた。だが２６日に安倍首相がスポーツイベントなどの中止、開催規模縮小を要請したことで、通常開催の目が消えた。本場所は大きな収入源の一つ。関係者によると１５日間で約１０億円の入場料収入がなくなる計算で、協会にとっても大打撃だ。
懸念されるのは観客がいない中、力士がどれだけモチベーションを上げられるか。「いかに（気持ちを）高めていくかが大切なところ。ぜひやってもらいたい」と八角理事長。中止という最悪の事態は免れたものの、春場所は厳戒態勢下で行われることになった。 （禰宜田功）
◆朝乃山「精いっぱい頑張るだけ」
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大相撲春場所が無観客で開催されることが決定し、取材に応じる朝乃山 |
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春場所で大関昇進を目指す関脇朝乃山は１日夕、無観客での開催が決まったことを受けて大阪市中央区の高砂部屋宿舎で取材に応じ、「初日に向けて体をつくって、１５日間挑む気持ちを持っていきたい」と意気込みを語った。
朝乃山は外出先から宿舎に戻る際、感染防止のため距離を取って立つ記者らの問い掛けに応じた。無観客開催には「理事会で決まったことなので」と理解を示し「チケットを買った人もたくさんいると思うし、それは残念だが、しっかりテレビの前で応援してもらえれば。自分だけでなく力士は精いっぱい頑張ると思うので」とファンに呼び掛けた。
感染が拡大する中での場所に「協会で一人でも（感染者が）出たら中止になると思うので、夜は外出を控えめにして、手洗い、うがいをしっかりしたい」と予防にも気を配っていた。
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March 02, 2020 at 06:06AM
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新型コロナ＞大相撲春場所 中止は回避 無観客「ファンのため」:スポーツ(TOKYO Web) - 東京新聞
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