6日
10時30分
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3分15秒
【現場から、3.11の被災地】悲しみの場所が五輪会場に
まもなく3月11日を迎えますが、東京オリンピックのサッカー会場の1つに、東日本大震災の被災地から、「宮城スタジアム」が選ばれています。会場の警備責任者を務める男性は特別な思いを抱いて、準備を進めています。
2002年、日韓共催となったサッカー・ワールドカップ。日本代表は、史上初めて決勝トーナメントに進みました。その決勝トーナメントの舞台となったのが・・・宮城スタジアム。通称「宮スタ」です。この「宮スタ」はあと4か月ほどに迫った東京オリンピックでも、重要な役割を担います。男女のサッカーの試合会場となるのです。
オリンピックに向けた準備作業は、すでに本格化しています。先月末には、警備対策の入念なチェックが行われました。会場の警備責任者を務めるのは、大会組織委員会の蜂谷和彦さん。蜂谷さんには、特別な思いがあるといいます。
「当時はこちらで大会が開かれることなんて誰も思っていなかったと思うんです」(宮スタの警備責任者 蜂谷和彦さん)
蜂谷さんの言う「当時」とは・・・2011年3月11日の東日本大震災。宮城県内だけでも震災関連死も含め1万人以上の命が失われました。このとき、宮スタがある総合運動公園に設けられたのが被災地最大の遺体安置所でした。安否がわからない家族を探す大勢の人たちが駆け付け、住民の憩いの場であったはずの公園は悲しみの対面をする場となりました。
「震災を思い出す方もやはり当然いらっしゃると思いますし、全てが震災前とは一変してしまったなと」(宮スタの警備責任者 蜂谷和彦さん)
それだけでは、ありません。当時、蜂谷さんは地元・松島の消防士として救助などに当たりました。宮スタはその拠点でもあったのです。日本だけでなく世界各国から集まった救助隊や援助隊の人たちがここから、被害の激しい沿岸部へ向かいました。
「大変だと思いますよ。津波で流された危険物品の撤去作業であったり、懸命に応援(の活動)をしていただいたので、我々のために活動していただいたことはすごく感謝しています」(宮スタの警備責任者 蜂谷和彦さん)
そうした震災の記憶を象徴する場所だからこそ、オリンピックでは多くの人たちの、熱い歓声が響く場所にしたいと蜂谷さんは語ります。
「亡くなられた方々にしっかりやれよという激励の言葉をかけられている気もします。ここまで大会が開かれるまで、宮城は元気になったぞと感じてもらえたら、感謝を世界の方々にお伝えできればと思います」(宮スタの警備責任者 蜂谷和彦さん)
大会を成功させて世界中の人たちに感謝の気持ちを伝えたい。蜂谷さんは、そう話しています。
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March 05, 2020 at 08:30AM
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