
大西英正
防災の日の1日、岩手県遠野市は釜石市との間で、災害時の避難先に公園を提供する協定を結んだ。川沿いに市街地が広がる釜石市では、洪水時に避難場所が足りなくなるためで、両市を結ぶ釜石道を使い、住民に避難してもらう考えだ。
避難場所に提供するのは、遠野市総合防災センターに隣接する遠野運動公園。釜石道を使えば、釜石市中心部から約40分で来られる距離にあり、350台分の駐車スペースを備え、近くにトイレもある。
釜石市は2019~20年、市内を流れる甲子(かっし)川と鵜住居川、小川(こがわ)川について、ハザードマップを更新。大雨で洪水が発生した場合、浸水想定区域に計2万3千世帯が含まれると予想している。
一方、区域内にある緊急避難場所は36カ所で定員は計約8千人。さらに、感染症対策として避難者間の距離を十分に取れば、約2千人しか入らない。そのため、避難場所の確保を進めてきた。
今年6月に打診を受けた遠野市は、沿岸各市への横断道路の分岐点にある利点を生かし、後方支援や防災の拠点になる構想を提唱しており、快諾した。
この日会見した釜石市の野田武則市長は協定締結に至った経緯について、「津波も洪水も新しい想定が出ている。そのたびに広域の避難のあり方を研究・調査してきた」と説明する。
遠野市の本田敏秋市長は「震災後も台風10号(16年)や台風19号(19年)により、県内は豪雨被害に見舞われている。地域の特性を生かし、新たな避難の仕方を考えなくてはいけない」と話した。(大西英正)
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