20日夜に宮城県石巻で最大震度5強を観測した地震で、石巻市が市ささえあいセンターに避難した市民を津波注意報の発令中、他の施設に移るよう要請していたことが25日、分かった。
市はセンターが緊急避難場所ではなく、地震被害で館内の水道が止まっていたことなどを理由に対応に誤りはなかったとした上で「適切な避難場所の周知をより進めたい」と説明する。
市内の団体職員矢口龍太さん(38)は、家族4人とJR石巻駅前で地震に遭った。直後に津波注意報が発表されたが、足腰の不自由な父親がいたため、高台の日和山への避難を断念。駅近くのセンター2階に向かった。男性によると、2階ロビーには計12人が避難したという。
地震発生から約50分後の午後7時ごろ、市職員が「指定避難場所の市総合体育館に移動してほしい」と要請し、全員を外に誘導した。
この時点で津波注意報は解除されておらず、男性は「外を歩くのは不安だった。せめて注意報が解除されるまで、館内にとどまらせてほしかった」と不満を語る。
センターは地震で水道管が壊れ、トイレなどが使えなくなっていた。東日本大震災では、隣接する市役所本庁舎周辺が浸水して数日間身動きが取れなかった。担当者は「長期間の避難には不適切と判断し、身動きが取れなくなる前により高い場所へ移動してもらおうとした」と説明する。
駅前周辺は津波浸水域に想定されており、センターは命を守るために緊急的に避難する「緊急避難場所」に指定されていない。
市危機対策課はセンターの判断を「やむを得ない」とした上で「注意報は約1時間半で解除されており、結果論で言えば、もうしばらく避難者を受け入れてもよかった」と振り返る。一方で「災害時の細かい対応はマニュアルで決められない部分もある。避難場所の周知も進めて市民が適切な場所に逃げられるようにしたい」と話した。
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