
作家の太宰治がある場所について書いている。「何をしても不安でならぬ時」や「心の弱っている時」にそこに飛び込みたくなるという。その場所にいれば、少しホッとし助けられる。「あんな、いいところは無い」−。どこだかお分かりか▼映画館である。世間から切り離された真っ暗な空間。そこに映しだされる物語に「観衆と共に、げらげら笑い、観衆と共に泣く」。それが救いとなる。映画は「優しい慰め」。よく分かるという人もいるだろう。終戦直後のカネのない時代にも映画館に大勢の人が詰め掛けたと聞くが、これも「心の弱っている時」と関係があろう▼「あんな、いいところは無い」場所が帰ってきた。東京都は一日、新型コロナウイルス対策の休業要請をやや緩め、これによって映画館が営業を再開した。また一歩「普通の日」に近づいた。再開に長蛇の列ができたところもあったそうだ▼不要不急の外出。映画館へ行くのもそれに該当するのだろう。けれども不要不急なものが生きていく上でどれだけ大切で欠かせぬ存在だったか。そう気付かされた自粛期間中の日々だった▼朗報の一方、コロナの影響で映画館や劇場、ライブハウスなどの娯楽施設の中には経営が厳しいところもあると聞く。存続の危ぶまれるミニシアターもある▼人を慰め、夢見る場所を守りたい。その場所は無論、「不要」ではない。
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