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ミックスゾーンで記者の質問に答える白鵬(右) |
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2メートル先に立つ力士の人間性が垣間見える瞬間がある。春場所の取材は通路を仕切った「ミックスゾーン」と呼ばれる方式。新型コロナウイルス対策のため、支度部屋でまげを直す間に質問を受ける通常の方式を避け、力士と取材陣の間を柵で隔てて、距離を置いて言葉を交わす。場所の半ばを過ぎて力士も慣れてきたのか、異例の方式でも人柄を感じる瞬間は多い。
高安はこれまで、支度部屋の取材では負けた後にはほとんど言葉を発しなかった。険しい表情で悔しさを押し殺すのが常だった。だが今場所はミックスゾーンで、負けた後も足を止めた。休場する前の3日目、白鵬に敗れた後、「ちょっと後手になった。横綱のペースでしたね」。珍しい敗戦の弁が悔しさを際立たせた。
支度部屋を出て帰る際に報道陣が声をかけるシステム。支度部屋での取材は風呂上がりがほとんどだが、ミックスゾーンでは着替えてから報道陣に向かい合う。服を着ると土俵での高ぶりが薄れ、取組を落ち着いて振り返る余裕が生まれるのかもしれない。
ほとんどの力士は呼び掛けられるまでは素通りしようとする。だが4日目の琴奨菊は柵の前で自ら足を止め、「(取材はなしで)オーケー?」と確認してから帰路についた。普段から丁寧に報道陣に答える人柄は方式がどうであれ変わらない。
同日の千代大龍も明るい人柄がそのまま表れていた。取組で痛めた左足を引きずってゆっくりと歩きながら「もう治りました。見てください。ちゃんと歩いてる」。心配する報道陣を和ませながらけむに巻き、翌日も立ち合いで強烈な踏み込みを見せた。
一方で呼び掛けに立ち止まらない力士もいる。普段から質問にほとんど口を開かない記者泣かせの遠藤。「関取、お願いします」という声にも目線すら向けず悠然と歩き去る。「土俵の上がすべて」というメッセージなのか。9日目までコメントはゼロ。非日常の場所でも普段通りの自分を貫く精神力があるとも言えそうだ。 (海老名徳馬)
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March 17, 2020 at 05:50AM
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取材ノート>ミックスゾーンは語る 大相撲春場所:スポーツ(TOKYO Web) - 東京新聞
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