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Thursday, August 27, 2020

ワーケーションが秘める多様な可能性-非日常な場所でのテレワークとしてのワーケーションを考える - 株式会社ニッセイ基礎研究所

ワーケーションとは、「仕事(Work)」と「休暇(Vacation)」を組み合わせた造語である。語源から考えると、ワーケーションは休暇を取得している期間に一定の仕事をすることを指す。しかし、日本においては、ワーケーションが働き方改革の一環として導入された経緯があり、リゾート地などで業務や研修を行うことや、業務出張の前後に滞在期間を延ばすなどして観光を楽しむブリージャー2も、広義のワーケーションとして捉えられている3。そのため、日本におけるワーケーションは、新しい旅行のスタイルとしてよりも、多様な働き方を可能にするテレワークの一種と捉えた方がわかりやすいかもしれない。テレワークの場所が自宅であれば在宅勤務、非日常な場所であればワーケーションであると解釈できる。そこで、「非日常な場所におけるテレワーク」としてワーケーションを定義した上で、様々なワーケーションの類型を整理したい(図表 2)。
 
まず、ワーケーションは、「旅行目的型」と「仕事目的型」に分類できる。旅行目的型は、非日常な場所に赴いて、旅行を楽しむことをワーケーションの主な目的とする。一方、仕事目的型は、非日常な場所に行くことはあくまでも手段であり、ワーケーションの目的は仕事をすることである。
 
旅行目的型ワーケーションには、休暇取得を伴う「休暇活用型」と、休暇取得を伴わない「休暇非活用型」がある。「旅行目的型×休暇活用型」は、休暇中に重要な会議が急遽入った場合や、長期休暇を取得するために、休暇中の旅行先で一定の仕事をすることである。また、「旅行目的型×休暇非活用型」は、テレワークの普及により、休暇を取得せずに、仕事をしながら、期間を問わずに旅行をすることである。日本各地の住宅や宿泊施設を定額で利用できるサブスクリプションサービスが拡大しており、すでにフリーランスやギグワーカ―と呼ばれる人々の中には、このような旅行を楽しむ人もいる。また、企業に勤める社員も、ユニリーバ・ジャパンのように働く場所や時間を社員が自由に選べる企業4が増えていけば、このような新しい働き方・旅行のスタイルを楽しむことが可能になるかもしれない。
 
一方、仕事目的型ワーケーションには、非日常な場所で缶詰めになる「集中型」と社内外の交流や新しい体験などをする「交流型」がある。「仕事目的型×集中型」には、川端康成など多くの文豪が作品を執筆するために温泉旅館に籠ったように、非日常な場所で集中力や発想力を要する業務を行うものである。また、米マイクロソフトの共同創業者であるビル・ゲイツは、年に2回ほど、「Think Week(考える週)」という1週間を設け、日常業務から離れ、外部との連絡を絶ち、別荘などで読書をしたり、自分の夢を見直したり、長期的な構想を練る時間を過ごすという。このように業務に直結することはないが、インプットや深い思考を行うためのワーケーションもあり得る。さらに、会社の複数人がリゾート地で集中的に作業を行い、商品の開発や改善を行う、開発合宿なども想定される。「仕事目的型×交流型」には、オフサイトミーティングやチームビルディング、研修など、普段の職場から離れて、非日常な環境でコミュニケーション活性化や課題解決に取り組むものがある。また、業務に直結しないものの、地域住民との交流や文化体験などのアクティビティ、ボランティアなどのCSR活動などに重点を置くものもある。なお、ブリージャーもこの分類に含めることができるだろう。
図表 2:ワーケーションの類型

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