Pages

Friday, April 17, 2020

「もう一度、あの場所へ…」古里の長野に届け 東京の音大生が作ったメロディー - 毎日新聞 - 毎日新聞

「もう一度、あの場所へ…」の譜面を前に「またここに戻って笑い合いたい」と語る塚田尚也さん=長野市大町で2020年3月28日午後4時33分、原奈摘撮影

 2019年の台風19号で甚大な被害を受けた長野市長沼地区の出身で音大生の塚田尚也さん(20)が、故郷を思う曲「もう一度、あの場所へ…」を作った。被災した人々の感情と地元の惨状、それでも復興していこうという気持ち――。「またここに戻って笑い合える日が来れば」との願いを込める。

 塚田さんはリンゴ農家の両親の下、千曲川の堤防決壊箇所に近い長沼地区で生まれ育った。高校卒業後、武蔵野音楽大(東京都練馬区)へ進学。打楽器を専攻しており、将来は音楽の教員など音楽に携わる仕事に就きたいと思っている。

 台風19号が上陸した19年10月12日、地元で開かれる和太鼓の演奏会に参加するため実家に帰省していた。翌13日午前2時ごろ、初めて聞く半鐘の音で目が覚め、「越水(河川の水が堤防を越えること)したんだ」と直感した。

 急いで家族と避難所に向かい、千曲川の堤防に設置されているライブカメラの映像をスマートフォンで検索した。濁流によって堤防がじわじわと削られていく様子が映し出される。その画面に「カメラ調整中」という文字が出た時、決壊したと悟った。「もうだめかも、と思ってしまった」。家は半壊し、両親のリンゴ畑は泥が深く積もり、農機は水につかった。

 そこからの2週間は、避難所に身を寄せながら家の片付けに追われた。東京に戻り、食べる物にも寝床にも困らない生活を再び送るようになると、ほっとすると同時に「自分だけ戻ってきてよかったのか」と少しの後ろめたさを感じた。

 音大ではピアノを副専攻にしており、もともと趣味で作曲をしていた。家で音楽を聴いているうちに「長沼の曲を作ろう」と思い立つ。浸水で荒れた家や泥のついたリンゴ、見慣れた県道に舞う砂ぼこりなど被災後の故郷の風景と、そこから復興した街の姿をイメージした。ピアノと向き合い、1カ月かけてじっくりと作曲。悲壮なメロディーで始まり、明るい曲調に続く2分半ほどの曲を完成させた。

 地元の人々に曲のことが伝わり、「歌詞をつけたい」と提案されたが、歌詞のイメージが定着してしまうのを避けるため断った。「一人一人、被災したことや長沼に対する『思い方』は違うから」。今では、地元の住民自治協議会の会合で流されるなど、被災者の心を癒やしている。長沼地区を離れようと考えていた人が、この曲を聞いて戻ることを決めたという。

 塚田さんはこの春も帰省し、実家のリンゴ畑の片付けを手伝った。「甚大な被害があったこの地区で、自分の曲が何年も受け継がれていくといいな」。そう言って、芽吹きつつある木々を見やった。【原奈摘】

Let's block ads! (Why?)



"場所" - Google ニュース
April 16, 2020 at 02:00PM
https://ift.tt/3bjqqGw

「もう一度、あの場所へ…」古里の長野に届け 東京の音大生が作ったメロディー - 毎日新聞 - 毎日新聞
"場所" - Google ニュース
https://ift.tt/34OhdC1
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

No comments:

Post a Comment